先日、東京建築士会が主催の建築相談員の講習を受けてきました。こういう仕事をしていると、ちょっとした建築相談を受けたりします。その時に、相手を混乱させるようなことがないように、失礼のないようにといつも考えますが、具体的にどう対応すればいいのかわからないところもあります。どうすれば専門家として恥ずかしくない応対ができるのか、どういう形で力になれるのか、施主の立場からすればあらかじめ知っておいた方がいい情報などないのか、などこの機会に勉強です。これは何も建築の世界に限ったことではなく、社会人としてキャリアを積んで、専門性を持つようになると、誰でも直面する話かもしれないです。
住宅リフォーム紛争処理センターがおすすめ
施主の立場からすれば、新築工事でもリフォームでも、欠陥住宅や不具合への不安は避けられないと思います。みんな他者には言わないだけで、ひとり悩んでしまうタイミングはあるんじゃないかと。特に建築工事に関しては、多かれ少なかれ現場での変更が必ず出るはずです。先方から説明があるでしょうが、本当にそれが妥当なのか?悩むこともありますよね。
専門家の立場からしても、お施主さんには見せないだけで、工事内容や工事金額が変わることに対して不安があって、現場や社内やプロどおしなどで相談しあったりもしています。自分の説明はこれでわかってもらえるだろうかとか。新築でも図面上は納まっていたのに現場で納まらないことは、嘘ではなく本当にあります。特にリフォーム工事では、開けてみないとわからないびっくり箱的な部分もあるので、変更・修正は避けて通れないはずです。
結局のところ、お互いに悩んでいるわけで、そんな双方からの情報が集まる場所があるので、思い切って、悩みの小さいうちに、相談してしまうのが吉です。お互い信頼関係があれば…、お互い風通しが良ければ…、とも言われますが、悩みをゼロにはできないですよね。その時の処方箋として使ってください。そこが住宅リフォーム紛争処理センターです。
住宅リフォーム紛争処理センター
施主側の立場では、相談事例の検索ができます。もちろん相談窓口も設置されています。プロ側の立場では、 住宅紛争処理技術関連資料集が公表されており、工事費用から補修方法までとても参考になります。まずはここを当ってみるのが良いと思います。他にも各自治体の建築相談窓口や、建築士会、建築士事務所協会などにも、相談窓口がありますので、気軽に利用されていいと個人的に思います。自分の施主の時に知っておきたかったです。
ここは私が保有している資格の「マンションリフォームマネージャー」の総本山でもあります。マンションリフォーム(リノベーション)は最もトラブルになりやすい工事です。建築法規、管理組合から管理規則、専有部分に共有部分、構造計画と設備計画など、多くを紐解いていかなくてはいけません。その時にもプロ、アマ問わず、力になってくれますので、覚えておいて損はないと思います。
個人的な話ですが、建築士という専門性を活かし、社会貢献や地域貢献もしていきたいと思っています。そのためにも建築相談業務の勉強は続けていくつもりです。こうした微妙な問題はトレーニングを受けているかどうかで対応力に差がつきます。常日頃の研鑚あるのみ。